裁判至上異例 「厳刑嘆願書」が裁判で証拠採用
◇キタの路上殺人、異例の厳刑嘆願書が証拠採用

考えられる限りの重い刑を科してほしい――。大阪・キタの繁華街で2004年10月、
大阪市中央区の会社員戸野竜秀さん(当時28歳)が暴行され、死亡した事件の公判で、
強盗殺人罪に問われた無職有島博明(25)、同下宮良彦(21)両被告に厳罰を求める
戸野さんの友人や元同級生ら約20人の嘆願書が、大阪地裁に証拠採用されていたことが5日、
わかった。刑事公判では、弁護側による減軽嘆願書は目立つものの、
被害者の友人ら多数の「厳刑嘆願書」が採用されたのは異例。

起訴状では、有島、下宮両被告は同年10月26日未明、大阪市北区の路上で、
戸野さんに因縁をつけて暴行し、約5万1000円入りの財布を強奪。
さらに、頭を何度もけるなどし、12日後に死亡させた。

両被告側は公判で「殺すつもりはなく、強盗の意思もなかった」と、傷害致死と窃盗罪の成立に
とどまると主張。被告人質問でも謝罪の態度を示さなかった。

このため、遺族が厳刑嘆願書を息子の友人らに呼びかけたところ、インターネットで知り合った仲間や、
戸野さんの婚約者だった女性の友人らから、約60通の手紙やメールが届いた。

「経営者になる目標を持ち、いつも笑顔で希望に満ちあふれていた」などという戸野さんの思い出に加え、
「言葉では言い表せないほどの憤りを感じる」「死刑以外の罰があるのか」と被告らへの
厳しい意見が寄せられた。検察側が本人から了解が得られた分について証拠請求した。

厳刑嘆願書を読んだ両被告は、改めて行われた被告人質問で「申し訳ない。
刑に服して償うことしかできない」「毎朝毎晩、般若心経を唱えている。一生続ける」などと、
初めて謝罪の気持ちを述べた。

両被告への論告求刑公判は、5日午後に開かれる。戸野さんの父・源四郎さん(57)は
「遺族は公判で何もできない。嘆願書が精いっぱいのことだったが、
多くの友人も傷ついている事を被告らに伝えたかった」と話している。


ソース:読売新聞関西
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20051205p302.htm
その後、「刑に服して罪を償いたい。」と言ってた主犯格は「無期懲役刑」を不服とし控訴
共犯者も同じく「懲役12年(求刑15年)を不服とし控訴。
遺族は控訴審の始まる半年間で「控訴して罪が軽くなるなんて許せない。」と再び署名活動を始めた。
途中、共犯者は控訴を取り下げた。集まった署名は5300通以上。主犯格の裁判で認定され裁判所へ提出された。
高裁の判決は控訴棄却で一審の判決通り、無期懲役。しかし、又、主犯格は不服とし最高裁へ上告した。(その後、取り下げ

2006年 読売新聞 =記者ファイル= キタ男性暴行死 判決確定
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