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幸島美智子さんの講演

平成18年10月15日、京都市中京区で、子供の安全を守るために全国で活動を進める幸島美智子さん
(警視庁の元警察官)が、家庭や地域、学校における防犯対策などについて講演されました。

幸島さんの講演の内容を聴いてきた者なりの文章で書いていきます。そのままのお話を聴きたい方は、
ぜひ幸島さんの講演へ足を運ばれて下さい。面白おかしく聴いていて飽きのこない、実のある講演です。
こちらから講演依頼することができます。(幸島美智子さんのプロフィールと講演テーマも紹介されています。)

「子供を犯罪の被害者にも加害者にもしないためには、
『自分は愛されている』『自分は大切な存在なのだ』と実感させる、
『子供のこころに穴の空かない』小さいときからの子育てが基本」

“子供を取り巻く犯罪状況” ■関連リンク 警視庁

子供の犯罪被害は、平成13年では41万件、平成18年では32万6千件(85%は窃盗)と件数は減っています。

しかし、殺害の被害は横ばいで、被害者はほとんど13歳未満です。平成18年の一年だけで80件です。

子供の人口が減っていっていることを考慮すると、殺害の被害はむしろ増えているとも言えます。

犯罪者は、見ず知らずの人よりも、顔見知りによる犯行の方がはるかに多いのです。
一番多いのは親。幼児虐待です。そして殺してしまうのは母親が多いのです。

犯罪者の親は、自分自身と向き合っていません。「自分は悪くない」という親ばかりで、
「自分が間違っていた」と反省する親はとても少ないのです。

“子供の危機管理能力の育て方”

親がしかるべき時とはどういうときなのか

子供には『変な人に付いていっては駄目』ではなく『子供に道を聞く大人は変な人』というように、
どういう人があやしい人か具体的に説明して下さい。

その際テレビは消し、きちんと向き合って話をしてあげて下さい。

自分自身で身を守れるようになるのは、10歳くらいからです。

どういう場所が危険か(公園のトイレ・車の陰・非常階段 等)説明して下さい。

「腕をつかまれたら、振り払ってとにかく逃げる。」(20mくらい走ると大抵は追いかけるのをやめる。)
「そして、すぐ近くにいる大人に助けを求める。」その前に「話しかけられても、相手の手が届く範囲には
決して近づかない。」と教えてあげて下さい。

子供が多少遅く帰って来ても、頭ごなしに「遅い!」と怒るのではなく、夏なら「喉渇いただろう」と飲み物
をあげたり、冬なら「寒かっただろう」と暖めてやったりという様に、まず「おかえり」と愛情を示して下さい。
そして、一息ついてからとても心配していたことを話して下さい。(何かあったら子供は 怒られると思って、
被害に遭っても親に話さなくなる。)

子供の危機管理能力を養うには、『自分は家族の大事な一員である』という帰属意識を育てることなのです。
自分は価値有る存在だということを、自分の存在価値をわからせてほしい。

「うん」でしか答えられる質問をしない。何かあったときに「NO!」と言える子供にする。自分の意志をはっきり
言える自分で判断できるようになる育て方をする。

それには子供が「はい」とか「いいえ」だけで答えられるような話しかけ方をしないこと。

“地域の力”

地域の力を借りて下さい。

防犯パトロール

見かけない人に「こんにちは」と声をかける。不審者は声をかけてくる地域を嫌う。

でも無理はしないでほしい。

子供が被害に遭う時間帯は午後2時から6時が多い。

新聞配達員などにも協力を頼む。

防犯ブザーつき自販機を設置してもらう。タダで業者が設置してくれる。メーカーが負担。頼んで2・3日待ち。

防犯ブザーを持たせるのも大事。身を守るグッズを子供に持たせる。見えるところにつけないと意味がない。
最悪のときは、身ひとつで逃げると教える。余裕があれば使う。
実際その時になると、身がすくんで声がでない。
大きな音や声で逆上されるより逃げる。

“大人の有り方”

真の防犯とは犯罪者を減らすこと。

少年犯罪を予防するには親の育て方が大切。

犯罪少年が検挙されるのは万引きが多い。特に本屋が多い。
万引きは一番手軽にできる犯罪。万引きで終わらずに、さらに犯罪を起こす。犯罪の入り口。
万引きぐらいと絶対に思ってはいけない。

小さい時から 万引き、弱いものいじめ、婦女暴行は卑怯である!と教える
(「婦女暴行って何?」子供が聞いてきたら「そのうちわかるよ」と言ってあげましょう。)
小学生低学年までに意識を。

子供と一緒におふろに入る。
めんどくさいことが子育て。10歳までに十分にスキンシップすれば、子供の心に穴が空かない。
小学一年生の万引きは、どこか寂しい心がある。心に穴が空いている。

親が子供に責任の取り方を教える。

自分の子供がいじめをしたら、親が頭を下げるのを見せる。学校が悪い。友達が悪いではいけない。
謝罪するのは加害者の方。

犯罪者の親は、責任のとり方の覚悟がない。

大人が手本になる。
大人の拝金主義を見直す。基本に善悪がないといけない。
金さえあれば何とかなるという意識を作ったのは大人。
お金で買えないものがあることを教える。
お金が一番ということを大人が言ってはいけない。

身の丈の幸せを大事にする。

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